そう遠くない未来に日本で起こるとされている大きな自然災害。災害や緊急時に備えることは、子どもたちの安全を守るために非常に重要です。しかし、小さな子どもたちに難しい内容を説明するのは大変、なにをどう伝えるのがいいのか、悩む大人もいるかもしれません。そこで力を貸してくれるのが防災絵本です。
今回は「親子で読むおすすめ防災絵本|厳選5冊」と題して、子どもたちに防災について知るきっかけを与えてくれる絵本を厳選してご紹介します。
ぜひ親子で手に取り、防災について話し合うきっかけにしてみてください。
※著作権保護の観点から表紙写真を商品リンクに置き換えてご紹介します。サイトから購入の際は、定価との比較をしっかりご確認ください。
災害・防災について子どもと一緒に学ぶことの意義
お子さんのいるご家庭では、防災の話をするタイミングを悩まれるかもしれません。お子さんが小さなうちから家庭の中で災害が起こったら、の話をしておくことはとても大きな意味があります。以下にその例を挙げます。
生命を守るため
小さな子どもはまだ自分で判断する力が十分ではありません。緊急時に適切な行動を取るための基本的な知識を一度でも見聞きしていることは、彼らの命を守るために不可欠です。
パニックを避けるため
災害が発生した際、小さな子どもがパニックに陥らないようにするためには、事前に防災知識を身につけていること、シミュレーションを行っていることが重要です。これにより、実際の災害時に冷静に行動できたという事例もあります。
家族全体の安全を確保するため
家族の中で災害時の共通認識を持つことで、家庭全体の安全性が向上します。例えば、避難場所や避難経路を予め知っていることで、家族と一緒に迅速に避難することができます。
また、家族みんなが一緒にいるときに地震が起こるとは限りません。普段から、地震の避難場所やばらばらになったときの集合場所を家族で確認しておくことが大切です。
継続的な学習の基礎を作るため
幼児期に身につけた知識は、その後の学習や成長にも大きな影響を与えます。幼少期から防災意識を持つことで、学校や地域での防災教育にもスムーズに参加できるようになります。
親子で読みたい!おすすめ防災絵本5冊
数ある防災絵本の中からピックアップした絵本をご紹介します。
※年齢はあくまで目安です。
繊細なテーマを扱うときに大人が気をつけたいことはこちらの記事にて
はなちゃんの はやあるき はやあるき(4歳頃~)
「奇跡の脱出」としてニュースになった、岩手県野田村保育所をもとにした絵本です。はなちゃんの通う保育園では、月に一度、避難訓練があります。でも、のんびりやのはなちゃんは、いつもおくれてしまうので、はやあるきの練習をすることにしました。そんなある日、とつぜんおおきな地震がおこったのです…。
引用元:絵本ナビ 出版社からの内容紹介
「じぶんで じぶんを まもるのですよ」園長先生から繰り返し伝えられていた言葉と日ごろの訓練が多くの命を救った。訓練の重要性と子どもたちのひたむきさを改めて感じる一冊です。
地震がおきたら(入学前ごろ~)
けんちゃんは小学校3年生、ゆうちゃんは1年生です。
今日、学校で消防士さんの話を聞いて地震の避難訓練をしました。
おかあさんに、その話をすると、
おかあさんは自分が小学生の時に大きな地震にあったことを話しはじめました…。地震がおきたらどうしたらいい?
おとうさんやおかあさんはそばにいる?
しょうぼうしさんはたすけてくれる?引用元:出版社からの内容紹介
消防士の思いからうまれた防災絵本。巻末にあるそなえておきたいものなどの防災知識、緊急連絡先などが書けるかぞくのやくそくカードでぐっと自分事に近づきます。
たった ひとつの おやくそく(4歳頃~)
おじいちゃんのおはかまいりで、まりは おかあさんと たいせつな「おやくそく」をしました。そのやくそくとは…?
防災100年えほんプロジェクトの一冊。
津波から命を守る「てんでんこ」から着想した絵本。ご家族で読んで、お約束してください。引用元:出版社HP
小さな子どもがたくさんのことを覚えるのは難しい。たったひとつ。具体的な行動を”おやくそく”しておくことが緊急時の行動につながりやすいことを学びました。
ぼうさいバッグのちいさなポケット(何歳からでも)
大きな災害に備えて必要なものはなんだろう? 家族で一緒に考えて、防災バッグをつくろう!
防災100年えほんプロジェクトがおくる、お子さまの視点で描いた「はじめての そな・えほん」
一緒に防災リュックの準備ができるので何歳からでも、としました。子ども自身が中身を把握しておくことで緊迫のなか少しでも心にゆとりができるのかなと期待しました。絶対必要なものだけでなく〇〇なものも必ず準備する。ぜひ知っておいてもらいたいです。
もしもトイレがなかったら(小学生~大人まで)
《JBBY(日本国際児童図書評議会)がすすめる子どもの本!選定図書》
《全国学校図書館協議会選定図書》
災害時に最も困ることーーそれは、水でも食べ物でもなく、トイレです。おなかがすいても1日ぐらいならがまんできますが、トイレを1日中がまんすることはできません。そんな大切なトイレについて、歴史やマナー、設備、災害時の備えまでも網羅した一冊です。
引用元:出版社HP
トイレについて真剣に考えたことはありますか?避難所の生活を皮切りに、トイレや排泄について深く学べる1冊。わたし自身が防災と生活を一緒に考えるとても良い機会になりました。
子どもと一緒に防災を学ぶ絵本の魅力
絵本を通して小さな子どもと防災について学ぶことのメリットとして5つのポイントを挙げます。
理解しやすい
絵本は視覚と聴覚を通じて情報を伝えるため、小さい人にとって理解しやすい形です。災害の概念や対策を、文字だけでなくイメージとして捉えることで、より具体的に理解することができます。
記憶に残りやすい
防災絵本は単なる計画やマニュアルとは違い、ストーリーが加わることで情報が記憶に残りやすくなります。特に小さな子どもにとっては、防災の重要なポイントや手順を絵本の中のシーンとして覚えられることで、緊急時に適切な行動を取りやすくなります。
感情移入しやすい
子どもは登場人物を通じて絵本の内容に感情移入しやすくなります。主人公が困難を乗り越える姿を見て、自分も同じように行動しようとする意識が芽生えます。これにより防災行動を身近に感じ、自分ごととして捉えることができます。
繰り返し触れることができる
絵本やアニメーションは繰り返し見ることができるため、自然と防災知識が身につき、行動に移す際の自信も高まります。
家族のコミュニケーションツール
家族全体で防災について話し合うきっかけになります。防災について共有することで一体感が生まれ、災害時の連携もスムーズになります。
まとめ
- 防災意識について家族で共通認識を持つ重要性
- おすすめ防災絵本5選
- 絵本を通して小さな子どもと防災について学ぶことのメリット
防災について家庭の中で共通認識をもつことは、子どもたちの安全と未来を守るために欠かせないことがわかりました。防災絵本は、繰り返し読むことで子どもたちが大切な防災知識を身につけるために強い味方になってくれるでしょう。家族がバラバラだったら、を想像してわが家も子どもたちとシュミレーションを繰り返します。
【準備中の記事】家庭での防災訓練に絵本をどう活用するか