こんにちは☆フリーランス保健師・絵本講師として活動しています三宅あやです。
私は2児の母で、息子は1歳からの未就園児クラスを経て、今モンテッソーリ園に通っています。日々、幼稚園での"おしごと"を通して作った作品を持って帰るのですが、自分で選んでやりきったおしごとは、その一瞬一瞬の子どもの成長を感じる貴重なものとなっています。
最近は、ひらがなのおしごとに興味を持っている息子。家では一切教えていないものを急に持って帰るようになったことから、敏感期の力をまざまざと感じています。
ちょうど参観日に見た息子(年中)の様子を記録したかったので記事を書いています。モンテッソーリ園ではどんな内容のお仕事をしているのか、興味のある方はぜひご覧ください。
モンテッソーリ教育とわが家の教育方針
まずは簡単に、モンテッソーリ教育と、わが家の考え方をお伝えします。
モンテッソーリ教育とは
ここ最近は、言葉を聞いたことがある方も増えたのではないでしょうか、モンテッソーリ教育。
モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。
「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がモンテッソーリ教育の前提となっています。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所より引用
私が、具体的な方法としてイメージするのは下記です。
- 子ども自らが選ぶ
- 大人は手や口を出して教えるのではなく「やって見せる」
- 本物を使う
引用元のホームページでは、子どもを観察し、環境を整えることが大人の役目として挙げられています。
わが家の教育方針
教育方針、というととても固く聞こえますが、わたしは子どもの幼少期のかかわりについて、学習面で一つ意識していることがあります。
それは、積極的に文字を教えないということ。
絵本を学んで、文字が読めないときにしか感じることができないことがあることを知り、積極的に文字を教えるということはしていません。実はこれ、お姉ちゃんのときにはまだ自分の中で確固たるものがなかったことから、幼稚園の時にそういったワークをした過去があります。(これにも理由があるのですがそれは割愛)
息子は、本当にひらがなについてはゼロベース!なので、初めての子育てをしているようで私にとって面白さを感じるところでもあるのです。
モンテッソーリ園ってどんなところ?│息子の園の場合
- カトリック系幼稚園
- 縦割り保育
- "おしごと"の時間
- 園での活動は、教具や本物を使用する
- 先生のかかわり方が統一されている
娘は公立の幼稚園を卒園していて、息子が通う幼稚園が違うなと思うのはこのあたり。これ以外は、モンテッソーリでない園とそう変わりないかなという印象です。
カトリック系幼稚園
息子が通っているモンテッソーリ園は、カトリック系の幼稚園です。入園を検討している方によく聞かれて、わたしも入園前に気になったことですが、家庭がカトリックでなくても入園できます。家庭の宗教については全く触れられませんが、園生活の中でお祈りの時間があるので、息子はそういった儀式の文言を覚えて帰っています。(マリア様ありがとうございます、という感じ)
縦割り保育
モンテッソーリの教育方針である、縦割り保育です。私自身、縦割り保育の経験がないので入園前は想像がつかなったのですが、とても自然に園生活を送っています。
よく挙がる名前の子が年長さんだったり年少さんだったりします。異年齢のお友達とも分け隔てなく仲良く過ごせるのはとても良いなぁと思っています。先生から「年少さんを気にかけて声をかける姿も見られます」なんて教えてもらうと、成長を感じます。
すべての活動が縦割りではなく、体操など同じ学年で過ごす時間もあります。
"おしごと"の時間
モンテッソーリ教育のなかで、とても印象的な言葉じゃないかなと思います。園での様々な活動を"おしごと"と呼びます。
特別なことをしているわけではなく、切る、縫う、つまむなどの手や指先を使った活動や、数の計算や文字を書くこと、国旗・世界地図パズルなど学習の基盤になる活動、花の水やりや机を拭くといった日常生活で行う活動すべてが"おしごと"です。
一日中おしごとをしているのではなく、外遊びや体操、リトミックなどの時間もあります。
園での活動は、教具や本物を使用する
モンテッソーリ教育でない保育園や幼稚園にあるような、おままごとエリアやカプラ、ラキューやレゴブロックなどはありません。
未就園児クラスでは『モンテッソーリ 教具』と検索して出てくるような教具をみた記憶があり、ひらがなのハンコや三つ編みを作る土台は通常のクラスでも目にします。
水のあけ移しのお仕事では本物のガラス容器を使い、ハサミや針も誰もが使える場所に置いてあります。ほかの園の先生から「3歳以下の園児の手に届くところにハサミは置けない」と聞いたことがあり、それだけ先生が園児一人一人に目配り気配りをしてくださっているのかなと思っています。
参考:娘が小さいとき、モンテッソーリアンまりこ先生のInstagramをよく見ていました。(5年以上前🤣)
先生のかかわり方が統一されている
園児にかかわるほとんどの先生がモンテッソーリ教育について研修を受けておられます。普段の生活はあまり見ることができませんが、参観日や用事で園を訪れたとき、声掛けが統一されていたり、先生自身が穏やかな印象を受けます。
これは、モンテッソーリ園は関係ないところかもしれませんが、どの先生もクラスを超えて園児の名前を覚えているのはすごいなと思っています。いつでも、誰でも、名前で呼んでくれるんです(感動)。大切にしてもらっているなぁと感じます。
発達の連続性と敏感期の力
家庭でもこのような環境を整えたいと、特に一人目の時には気合いが入った時期もあったのですが、慌ただしく過ぎる毎日。幼稚園から持って帰るおしごとの成果は、そのときの息子の興味を教えてくれます。
発達の順序│大きい→小さい、粗雑→精巧
- 組み紙は太い紙から細い紙へ。この仕組みが織り機へ繋がります。
- リリアン(厚紙+糸)はより複雑なものへ。
- つまむ、はめこむという動作が、紐通し、ビーズ通しや糸通しに繋がります。
どれも、先生が「これをしなさい」と言って取り組んだものではなく、そのとき本人が決めたおしごとです。上手くいかなくてもまたチャレンジする、昨日より上手くいって嬉しい!の気持ちは、主体的に取り組んだ証なのだと思います。
敏感期を肌で感じた参観日
モンテッソーリ特有の言葉に敏感期というものがあります。
「敏感期」とは乳幼児期に現れる、ある特定の事柄に対する強い感受性のことであり、この時期に適切な環境があれば、子どもはいとも簡単にその事柄を吸収します。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所より引用
先ほど話した通り、わが家では積極的にひらがなを教えておらず、息子は読めないひらがなが多い現状です。小学生のお姉ちゃんの影響で自分の名前には興味が出てきたので、夫が書いたのを真似したりはしていました。(やりたいのを止めることはありません)
そんな息子、ここ数日でこんなおしごとを持って帰るようになりました。
突然持って帰った作品にびっくり仰天。書きたい思いが爆発しているように見えました。
そんな折、ちょうど訪れた参観日。短い時間に興味深いことをたくさん見せてくれました。
当日選んだのは右のおしごと(違う昆虫)。仲良しの同級生の男の子と一緒に始めました。そのお友達のお母さんも一緒に参観をしており、最近このおしごとを持って帰るため、家庭でも練習をしているということでした。
息子を近くで見ていると、書き順ばらばら。教えていないので当たり前なのですが「そんな風に見えているんだ~」と面白くなってきました。
なかでも一番びっくりしたのがこれ。思わず覚えて帰ってしまいました。(一画目、二角目を色を変えて再現しています)
さらにここから驚いたのは、同じものをもう一度やり始めたこと。娘の宿題をみたり、自分の経験から、こんなにたくさんの文字を書くのって疲れるんですよね。でも、疲れなど一切見せず、ウキウキと始めた二人。敏感期の力を感じずにはいられませんでした。
今回、実際の様子をじっくり観察できたので、一緒にひらがなを書いてみようと思っています。
待つこと、観察することのその先
やらされるのではなく、自らが自立・発達しようとする力。本来備わっているこの力をサポートできるよう環境を整えることが大人の役割だということを目の前で見せつけられました。
乳幼児期の子どもの脳はまさにスポンジで、与えれば与えただけ吸収し反応してくれる。早期教育について否定するつもりは全くありませんが、本人の内から湧き上がる「やりたい」の気持ちを信じることの大切さを体験できたような気がします。
待つこと、観察すること、簡単なようで難しい。わたしにとっては苦手なことだったりしますが^^; 先生や夫、周りの方の力も借りながら子どもたちの成長を見守っていきたいです。