「食欲の秋」と言えば、子どもたちにとっても楽しみがいっぱいの季節。この時期は食べることへの興味が高まる絶好のチャンスです。
食育と聞くと少し小難しく感じるかもしれませんが、食べ物への興味と感謝の心を育むことが食育の大切な心でもあります。
さらに毎月19日は「食育の日」。この機会に親子で食べ物に関心を持ち、食の大切さに気付くきっかけとなる絵本を読んでみませんか?乳幼児から小学生まで、食べることの楽しさと学びを深める7冊をご紹介します。
☑子育て支援センターなどで毎月絵本の読み聞かせボランティア
☑2児の母、蔵書絵本約900冊
☑”絵本を子育ての味方に” 子どもの心に寄り添う良質な絵本を扱う小さな絵本屋さん
※著作権保護の観点から表紙写真を商品リンクに置き換えてご紹介します。サイトから購入の際は、定価との比較をしっかりご確認ください。
乳幼児から小学生まで/おすすめの食にまつわる絵本
乳幼児から親子で楽しめる食にまつわる絵本を目安の年齢も踏まえて7冊紹介します。
年齢はあくまで目安です。5歳のお子さんが0歳の絵本を読みたがったり、小学生のお子さんが就学前の絵本を読みたがることをぜひ受け入れてあげてください。
※年齢はあくまで目安です。
くだもの(0歳から)
子どもたちに身近な果物が、まず丸ごとの形で示され、次に食べやすい形で「さあ どうぞ」と差し出されます。果物のみずみずしさを丁寧に描き出した絵に、子どもも大人も夢中になること間違いなしの食べもの絵本です。
引用元:福音館書店HPより抜粋して引用
なんといっても、まず乳幼児期には平山和子さんの食べものの絵本を。子どもたちに身近な食べ物をまるで実物のように、温かみをもって描かれた画集です。
なにからできているでしょーか?(4歳~6歳)
おにぎり、ラーメン、ハンバーガー……身近な食べ物が何をもとに出来ているのかをたんねんに、かつとってもおいしそうに描いたユニークな発想の絵本。食の世界の豊かさ楽しさを子どもに伝える一冊。
引用元:絵本ナビ 出版社からの内容紹介
普段何気なく食べているものがどんな素材からできるのかを、楽しく知れる絵本です。最後の質問は、大人にも食について考えるきっかけをくれます。
たべもののたび|かこさとし からだの本2(3~5歳ごろから)
ごはんやおかしは、体内のどこを通って、どうなるのか? 食物の摂取から排泄までを説く。
引用元:絵本ナビ 出版社からの内容紹介
いぶくろこうえん、しょうちょうジェットコースター。小さなころに出会った独特な名前は、今でも子どもたちとの会話の中で出てきます。
きょうのごはん(低年齢から絵を楽しめる)
ネコがご近所を練り歩いて夕飯パトロール!
ここのお家の今晩のごはんはなにかな?
リアルな食べ物の絵はまさに垂涎ものです。
大人にとっての思い出の絵本のことも多い14ひきシリーズ。日本の秋がいっぱい詰まった一冊は、絵の美しさが際立つおつきさまの描写が必見。ポケット版はお出かけにもgood
いのちをいただく-みいちゃんがお肉になる日-(就学前から)
命を「解く」ということばを、ご存知ですか。
食肉解体業に携わる人々が、牛や豚を殺す、という意味で実際に使っている言葉です。
これは、食肉センターに勤めて実際に命を解くことを仕事にされている、坂本義喜さんのおはなしです。引用元:絵本ナビ みどころ
わたしたちは、日々命をいただいて生きている。「牛を育てる人」「牛の命を“解く“人とその家族」「牛」その視点を知ることであらゆる仕事への感謝も湧きました。
いのちをいただく(小学生中学年ごろから大人まで)
本書は「命と食」をテーマに講演を行う熊本県の食肉加工センターに勤務する坂本義喜さんの体験談を基にした絵本です。坂本さんは「牛を殺す」という具体的な事例を交えながら、「動物の命を私たちはいただき、生かされている」ことの意味を問い続けます。(中略)巻末には、九州大学の佐藤剛史助教が農漁業や保育に携わる人たちを取材し、執筆した現場ルポ「いただきますということ」を収録しました。
“いのちをいただく-みいちゃんがお肉になる日-の原作。絵本に比べて挿絵がシンプル。娘が読み聞かせてくれて、涙が出ました。
いのちのたべもの(就学前から)
<たいせつな「食」のことを伝える食育絵本>
おかあさんと スーパーに おかいもの。
きょうの ゆうごはんは、よせなべだって・・・
はくさい・とりにく・はまぐり・がんもどき・・・・
おてつだいのごほうびに、スナック菓子
いろんなたべものがあるけれど、
「ひとのからだは たべたものでできているの」
お母さんが話してくれた、たべもののこと。引用元:絵本ナビ 出版社からの内容紹介
お菓子大好きな長男と読みたい。スナック菓子=食べてはダメ、ではないけれど、たくさん食べすぎるのはどうしてよくないのか、「いのち」と絡めたメッセージが響きました。大切な内容なので文章が長くなるところもありますが、それを堅苦しくさせない加藤休ミさんの絵にも助けられます。
絵本をしつけにしないために
今回、タイトルを「食育」としましたが、このテーマに関わらず、しつけや学びに繋がりそうな絵本を親子で楽しむときに注意したいポイントがあります。
絵本でしつけない/教えない
まず大前提として、乳幼児期の絵本でわたしが大切にしていることはしつけのためでも、何かを教えるためのものでもないということです。
大人が何のためにこの本を読んでくれているのか、子どもはわかります。
質問しない
絵本の文にない「これなにかな?」などは、特に必要ありません。「これを読んでどう思った?」も同様です。お話ができるようになって、小学生になったら聞きたくなってしまうかもしれませんが、そうすると子どもの意識は”質問されること”に向き、純粋に絵本を楽しめなくなってしまいます。
子どもからのアクションにはしっかり応えてあげる
読み聞かせの最中や読み終わった後に、子どもの方から「これは〇〇」とか感想を言うことがあると思います。それについてはしっかり応えてあげて、お子さんの心を感じてください。
子どもにとっての食育の目的とは
ここまで、”食”への興味につながる絵本を紹介しました。では、子どもたちにとっての「食育」とはどのようなものなのでしょうか。
少し深堀りして紹介します。
- 心と身体の健康を維持できること
- 食事の重要性や楽しさを理解すること
- 食べ物の選択しや食事づくりができること
- 一緒に食べたい人がいる(社会性)
- 日本の食文化を理解し伝えることができる
- 食べ物や作る人への感謝の心
年齢別の食育目標まとめ
“食べる力”を育てるために、各年齢での目標をまとめてみました。
0歳児
自分で食べる喜びを感じ、さまざまな食べ物に触れたり、噛んだり、味わったりする経験をすることで、自分で進んで食べようとする力を育む。また、手洗いの仕方も身につける。
1歳児
フォークやスプーンを使って自分で食事をする。
2歳児
楽しい雰囲気の中で、さまざまな種類の食材や料理に興味を持って食べる。また、食具の使い方を覚え、食事のマナーを知る。
3歳児
食事のマナーや食具の使い方を覚え、友達と楽しく食べる。また、食事の前には手を洗い、みんなで食前・食後のあいさつをするよう促す。
4歳児
自分の体に必要な食品の種類や働きに気づき始める。また、食材の色や形、食感の違いを楽しむ。食事の準備から片付けまでの流れを理解し、自分でできることを増やす。
5歳児
給食当番や野菜の水やり当番など、食事に関する役割を保育の中に取り入れる時期。食事に関わる人に感謝し、食べ物にも命があることを理解し、大切に食べる気持ちが育ちます。バランスの良い食事や、健康的な食生活について自分で考えて決定できる姿を目指す。
学童期
食に関する知識と選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる。具体的には、栄養バランスの理解、食文化の継承、食の安全性の認識、食事の重要性の理解、感謝の心の育成、そして食を通じた地域理解を目指す。
年齢別で見てみると、食べることの楽しみ・食べ物への関心から食文化や食べ物・食べることに関わる人への興味・感謝へ広がることがわかりますね。
まとめ
- 乳幼児・小学生向けおすすめ絵本
- 子どもにとっての食育の目的は、0歳から段階的に”食”に関する興味を広げ、自分にとってよりよく生きるための選択を自分でできるようになる知識や価値観を得ること。
始まりは食べるものを知り、食べることを楽しむことから、「どうして残しちゃいけないの?」『食』を選択する力へ。
親子の時間に、子どもたちに「食」について考えるきっかけをつくり、食卓や日常の生活のなかで話題にしてみてくださいね。